子ども向けトイガン「NERF」で眼損傷 「改造」を紹介するサイトも

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   米ハズブロ社が販売している子ども向けの玩具銃「NERF(ナーフ)」は、派手なカラーリングと子ども心をくすぐるスタイリッシュなデザインで、米国の子どもたちに人気の玩具のひとつだ。日本でも業務提携先のタカラトミーから、スポーツシューティング用玩具として販売されている。

   そんなナーフの弾が目に当たり、重度の怪我を負う可能性があるとする症例報告が英ロンドンにあるモーフィールズ眼科病院救急部門によって2017年9月18日、英国医師会誌に掲載された。

  • 男の子ならグッとぐる玩具だが危険も(画像はハズブロ社の商品紹介ページより)
    男の子ならグッとぐる玩具だが危険も(画像はハズブロ社の商品紹介ページより)
  • 男の子ならグッとぐる玩具だが危険も(画像はハズブロ社の商品紹介ページより)

弾はスポンジで低威力だが

   ナーフは対象年齢8歳以上の玩具で、バネと空気を利用して弾を打ち出す。弾はBB弾ではなくダーツと呼ばれる縦長のスポンジだ。種類は非常に豊富で、銃タイプのほかに弓タイプの商品も存在する。

   飛距離は種類によって異なり、ハズブロの商品紹介では最大で20メートル近く。弾速や威力は公表されていないが、ユーチューブなどで愛好家が測定している様子などを見ると、平均0.05ジュールほどのようだ。

   日本の法令ではエアガンでも0.98ジュールを超えると銃刀法違反。青少年育成条例で10歳以上18歳以下の場合は0.13ジュール以内のエアガンしか使用できないことになっている。

   これらの数値と比較すると0.05ジュールは低威力のようだが、万が一のことを考えてかナーフのパッケージに人や動物に向けて撃たないよう警告が記載されており、専用の的も販売されている。

   しかし、症例報告で取り上げられた3例はいずれも深刻だ。32歳の男性は8メートル離れた場所から子どもに右目をナーフで撃たれ、弾が目に直撃。内出血を起こし目の中に1ミリ以上の血の塊ができ、さらに「ぶどう膜炎」という眼球内の炎症も発生した。

   43歳の女性は1メートルの距離から右目を打たれ、やはり内出血とぶどう膜炎、一時的な視力の低下が起きた。

   2メートルの距離から右目を撃たれた11歳の子どもは、内出血に加え角膜と網膜が腫れ上がり、まぶたにも外傷を負ったという。

   報告した医師らは「ナーフによって眼に重大な損傷を負ったとする論文は発表されていないが、3例の症例を見る限りそのリスクは非常に大きく、ナーフが安全な玩具であるとは言い難い」と危機感をあらわにしている。

   なお3例とも点眼薬で炎症や出血を治療し、数週間で眼球の状態や視力は正常に回復したようだ。

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