「福島原発事故で胎児への影響なし」学術会議報告 なぜか大手紙報道せず、坂村健が批判

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放射性物質の総放出量はチェルノブイリの約7分の1

   甲状腺がんについて、福島県では事故時に18歳以下だった全県民を対象に甲状腺超音波検査を実施。「世界に例のない無徴候の健常児を対象とした大規模で精度管理された詳細調査」で、2015年6月までに約30万人が受診したと報告書では説明している。「治療の必要のない極めて軽微な異常(嚢胞や微小結節所見)が多く発見されたが、同じ福島方式で甲状腺検査が実施された他の地方自治体(弘前市、甲府市、長崎市)と有所見率の差は認められなかった。ただし、検査対象数が1000人規模と少なく、同じ精度の結果ではないとの批判がある」という。

   一方、「2016年12月末日までに185人が甲状腺がんの『悪性ないし悪性疑い』と判定され、このうち146人が手術を受けたという数値が発表されている」点について、福島県県民健康調査検討委員会の見解を明らかにした。それは、「これまでに発見された甲状腺がんについては、被ばく線量がチェルノブイリ事故と比べて総じて小さいこと、被ばくからがん発見までの期間が概ね1年から4年と短いこと、事故当時5歳以下からの発見はないこと、地域別の発見率に大きな差がないことから、放射線の影響とは考えにくいと評価した」というもの。ただし、「明らかに放射線の影響」という主張や論文があることについても、報告書では言及している。

   また東電福島第1原発事故で放出された放射性物質の総放出量は、チェルノブイリ原発事故の約7分の1だったとする。また福島県の県民健康調査を引用し、比較的被ばく線量が高いと予測された川俣町山木屋地区、浪江町、飯舘村住民の調査から、チェルノブイリ原発事故によるベラルーシやウクライナの避難者集団の平均被ばく線量に比べると「はるかに低い」としている。

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