2017年9月28日に召集される臨時国会冒頭で、安倍晋三首相が衆院を解散する流れが決定的になってきた。9月18日に安倍晋三首相と会談した自民党の二階俊博幹事長は、翌19日朝の役員連絡会で
「『早期解散を検討しているが、時期については国連総会から帰国してから決めるので、お願いしたい』。このようなことが発言としてあった」
と、安倍首相の早期解散の意向を明言した。公示は10月10日、投開票は10月22日の公算が大きい。衆院解散は政府・与党が「勝ちやすい」タイミングを選んで行われる傾向がある一方で、「大義」も必要だと考えられている。すでに争点になりそうなテーマがいくつか指摘されているものの、二階氏は現時点では「大変重要な視点をついておられる」と述べるにとどめている。仮に「9月末解散」ということになれば、過去の解散と比べても急ごしらえの「大義」で選挙戦に突入することになりそうだ。
あと1週間強で「大義」の建て付けを...
今回の「解散風」をめぐっては、
「まさに自己保身解散に走っている」(前原誠司・民進党代表)
「何を目的にするのか、大義ということについては分からない」(小池百合子・東京都知事)
などと各所から「大義」のなさを指摘する声が相次いでいる。前出の自民党の役員連絡会直後の会見では、記者が
「安倍総理は選挙の争点について、消費税を10%に引き上げ、その財源を教育・子育て支援に回すことを公約に入れて、それを争点とする方針ということだが、それについて幹事長はどうお考えか」
と質問したのに対して、二階氏は
「大変重要な視点をついておられると思う。このことに関して、これから政調会を中心にして党内で色々議論をして政策の中身を固めて、国民の皆様から、そのことに対してご意見を仰ぐ。こういう姿勢で臨んでいくことは当然」
と述べた。あと1週間強で「大義」の建て付けを迫られることになる。