緊迫する北朝鮮情勢をめぐり、米国のマティス国務長官が2017年9月18日(米東部時間)の記者会見で、「ソウルを重大な危険にさらさずに」北朝鮮に対して軍事的な対応が可能だと述べた。詳細は明言を避けたが、その内容は憶測を呼びそうだ。
トランプ政権の対北朝鮮政策をめぐっては、「右腕」だとされてきたバノン首席戦略官が、ソウル市民を死傷させずに北朝鮮を攻撃するという「方程式」が解けないとして軍事的行動には否定的見解を示していた。直後にバノン氏は解任されたが、果たして「方程式」は解けたのか。
ヘイリー大使「北朝鮮に対して多くの軍事的選択肢がある」
マティス氏の発言は、米国のヘイリー国連大使が
「北朝鮮に対して多くの軍事的選択肢がある」
と発言したことに関連して出た。ヘイリー氏の真意を問う質問に対して、マティス氏は
「ヘイリー大使は正しい」
としながら、メキシコやペルーが北朝鮮大使を「ペルソナ・ノン・グラータ」(好ましからざる人物)に指定して追放を決めたことを引き合いに、「圧力外交」が奏功していることを強調。その上で、
「ソウルを重大な危険にさらさずに、米国が北朝鮮に対して取り得る軍事的選択肢はあるのか」
という記者の質問に対して、
「あるが、詳細には触れない」
と述べた。