B'zがデビューしたのは、まだ年号が「昭和」だった1988年だ。それから約30年、当時23歳だったボーカル・稲葉浩志さんも、すでに52歳である。ギターの松本孝弘さんは56歳だ。
2017年9月18日、特別番組「MUSIC STATION ウルトラFES2017」(テレビ朝日系)に出演した稲葉さんの姿に、ツイッターなどでは「老けた」などといった声が一時噴出した。ところが、歌が始まると、その反応は一変することになる。
「ultra soul」がランキング1位になるが...
約10時間という大型音楽番組として放送された「ウルトラFES」、B'zは最後から2番目に登場した。
稲葉さんのこの日の衣装は、黒の長袖シャツにやはり黒のパンツという、落ち着いた雰囲気のものだ。出番に先立ち、番組が独自アンケートで選定した「元気が出る超(ウルトラ)ソング」で、B'zの「ultra soul」(2001年)が1位となったことが紹介され、司会のタモリさんが、
「ultra soul、1位でしたね」
と話を振るが、稲葉さんは、「ありがとうございます」と低い声で返すばかり。これまでの活動についての感想を聞かれても、
「節目節目で野外でライブをやってきたんですけど、そのたびに雨が降る、みたいな感じだったんですけど、最近は少し天気も味方につけて、晴天のことが多いんですけど......」
といった具合で、元々テレビ番組では「うまくしゃべれない」と公言しているとおりのローテンションが続く。
そのトークの姿に、「年齢」を感じた視聴者も多かったようだ。直前には、過去の「Mステ」出演時の映像が流れていたこともあってか、
「稲葉さんちょっと老けたなー...」
「目元をみると年を感じてしまうな」
「稲葉さん52歳か...ワイプで若い頃の映像と並べるの止めて」
といった書き込みが、ツイッターには相次ぐ。
「歌い出すと-15歳くらいなる」
ところが歌が始まると、評価は一変した。
「さっきまで歳取ってたのに歌い出したら若返った」
「稲葉さん歌始まった瞬間若返ってね?」
「歌い出すと-(マイナス)15歳くらいなる不思議」
「ステージに上がったら肌のハリがアップするのなんなの」
先ほどまでのテンションの低さが嘘のように、ステージを縦横に動き回りながら、腰をくねらせ、観客を煽り、スピーカーの上に飛び乗り、高音でシャウトする。はつらつとした稲葉さんのパフォーマンスに、
「松本さんももう56歳で、稲葉さんも52歳か~! 歌声は衰えるどころか進化し続けてるなぁ。。。」
「あんだけ動いてあんだけ声出て高音シャウトもキレキレで。そして曲間に魅せるセクシーな微笑み。あんな52歳いるかね」
「稲葉さん52歳だって...奇跡?奇跡なの?何したらあんなに若さキープできるの?教えて!」
と、ツイッターは最終的に、その「若さ」に驚愕する声に埋め尽くされた。