医療やサイネージなどの分野への普及を期待
スマートフォンに使われる小型パネルも、有機EL搭載が増えてきた。ここでも韓国勢が進んでおり、シャープはまだ開発段階だ。米アップルは2017年9月12日に発表したアイフォーンの高級モデルで、韓国サムスン電子製の有機ELパネルを採用した。シャープは競争のスタート地点にも立っていない。
有機ELで勝負できない以上、これまでの延長線上にある液晶で戦うしかない。幸い8Kは技術的に液晶との相性がよい。有機ELでは4Kの製品はあっても、8Kはまだない。
今後は放送・映像分野にとどまらず、医療やオフィス、セキュリティー、サイネージなど様々な分野で、8K製品は普及するとシャープは考えている。例えば、テレビモニターを活用した遠隔診療などが真っ先に挙げられる候補だ。
ただ、業務用ならいざ知らず、「家庭用テレビでそこまでの高精細は必要か」という疑問も少なからずあるのは確か。一般消費者が新製品をどう受け止めるのか。今後のシャープの命運を左右することになりそうだ。