「量に関係なく飲むべきではない」
今回の調査結果を受け、一部の海外メディアなどでは「妊娠中に少量のアルコールを飲んでも胎児にダメージがあるという証拠はほとんどない」などと伝え、量が少なければ問題がないかのような報道も見られるが、NHSはこれを明確に否定。サイト上でも、
「本調査ではNHSは何の結論も得ていない。NHSからのアドバイスは、妊娠中の飲酒は胎児に長期的な害を及ぼす可能性があり、飲むほどリスクは高くなる。量に関係なく飲酒をすべきではない」
と声明を発表している。
解析した研究に限界もある。妊娠中の女性に飲酒をさせることは倫理的に問題があるため、解析した論文は観察研究だった。正確な飲酒量を確認することは難しく、その他の生活習慣や健康状態が影響を与えている可能性も否定できない。
また、研究結果で妊娠中の少量の飲酒によるリスク上昇が小さいと示されたとしても、それが安全であることを意味するわけではなく、リスクが存在していることには変わりない。
ちなみに、NHSは妊娠していることに気がつかず飲酒をしてしまった場合の影響を示すエビデンスは少ないとし、「飲酒は避けるべきだが、必要以上に心配すべきではない」ともコメントしている。