元プロ野球選手でタレントの長嶋一茂さん(51)が、北朝鮮が2017年9月15日早朝にミサイルを発射してからわずか数時間後に出演した情報番組の中で口にした一言が、インターネット上で波紋を広げている。
一茂さんは、北朝鮮のミサイル発射を特集する番組の中で、なぜか突然、プロ野球の話題に言及。広島とソフトバンクのリーグ優勝が目前だと述べた上で、「北朝鮮のミサイルごときでギャーギャー言うな」とコメントした。
「広島がマジック1、ソフトバンクがマジック1なのでね」
北朝鮮は15日朝、弾道ミサイルを首都・平壌(ピョンヤン)付近から東北東方向に発射。ミサイルは北海道上空を通過し、襟裳岬の東方約2200キロメートルの太平洋上に落下した。政府は北海道から長野県にかけての12道県に「Jアラート」(全国瞬時警報システム)を流し、避難を呼び掛けた。
その数時間後、一茂さんは「モーニングショー」(テレビ朝日系)に出演した。この日の番組は、北朝鮮のミサイル発射を受けて内容を大幅に変更。約2時間の放送枠のほぼ全てを使い、ミサイル関連の話題を特集した。
一茂さんはこの番組の終了間際、番組のエンディングテーマが流れる中で突然、
「まぁとにかく、広島がマジック1、ソフトバンクがマジック1なのでね、北朝鮮のミサイルごときでギャーギャー言うなと、ハイ」
などとコメント。この発言に共演者は誰も反応せず、その後は宇賀なつみアナウンサーが「あと皆さん、台風にもくれぐれとご注意ください」とだけ話し、番組はそのまま終了した。
こうした一茂さんの発言に対し、視聴者からはツイッターやネット掲示板に、
「ふざけてる。コメンテーター辞めろよ」
「言っていい事と悪い事があるだろ」
「まさか野球のが大事的な事を言うとはね バカもほどほどに言えよマジで」
と批判の声が相次いで寄せられた。なかには、「野球ごときをミサイルと一緒にするなよ」と一茂さんを皮肉る意見もみられた。
ミサイルを「ビーンボール」に例える
一茂さんが15日の「モーニングショー」で野球の話題を持ち出したのは、先述の「ミサイルごとき...」の発言だけではない。
ミサイル発射を受けて「Jアラート」が流れた場合、国民はどのような心持で対処すればいいのか、という話題が交わされる中で、一茂さんは、ミサイルを「ビーンボール」(野球で意図的に打者の頭部を狙って投げる反則投球のこと)に例えて、
「ビーンボールであれば動じなければいいと思うんですよ。松井選手はビーンボール来たって動じずに、次に内角高め(のボール)が来ても打ちました。野球の話で恐縮だけども、そういう考え方なのだろうか」
とコメントしていた。
その後、番組の終盤では、一茂さんが今回のミサイル発射について「結局、ビーンボールかビーンボールじゃないかの話」と再び発言したことに、共演者らが呆れたような笑いを漏らす場面もあった。
こうした一茂さんの「ビーンボール」発言についても、インターネット上では、
「野球に例える必要ってあるのか?」
「『ビーンボール』なんて言葉、普通の人は知らないんだって」
といった戸惑いの声が相次いでいた。
実際、番組の中では、一茂さんが野球を例えに出しながらコメントを続けることに対し、テレビ朝日解説委員で番組コメンテーターの玉川徹氏が、
「一茂さん何を質問しているのか分からないさっきから。何を聞いてるの?」
と指摘する場面もあった。