内閣府は2017年9月11日、本人や家族が急な病気や怪我をしたとき、救急車を呼ぶべきか病院を受診すべきか相談できる電話窓口「救急安心センター(#7119)」の認知率が13%にとどまっているとする調査結果をサイト上で発表した。
119の前に7119を
救急安心センターは2007年に東京消防庁が始めた取り組みで、7119番に連絡をすると医師や看護師、相談員が対応し、病気やけがの症状を把握して応急手当の方法、受診手段、適切な医療機関などについて助言を行うというもの。緊急性が低いと判断された場合には救急相談や医療機関案内で対応している。
実施地域は全域実施が東京、大阪、奈良、福岡。一部実施が北海道札幌市、神奈川県横浜市、和歌山県田辺市。今年度中に宮城、埼玉、兵庫県神戸市でも実施が予定されている。
今回の調査は全国に住む18歳以上の成人1790人から得た回答を元にしたもので、救急相談をできる窓口について「知っているものはない」と回答したのが72.1%と最も多い。子ども用の相談窓口である「小児救急でんわ相談(#8000)」の認知率も11.6%にとどまった。規模が大きい都市では認知率が高い傾向にあるものの、全体としては窓口の存在が認識されていない実態が明らかとなっている。
ただし、救急安心センターへの需要は高く、全国展開を推進すべきかとの質問に対しては「積極的に進めるべき」とする者の割合が76.5%となっており、「(不要な)119番通報が減り、重症な方を早く搬送できる」、「救急のときに専門家の判断を聞くことができる」「いざというときの不安が減り、安心して生活できる」といったメリットを挙げる声が見られた。