日本ハム・大谷翔平投手(23)が今オフ、ポスティングシステムで米大リーグへ挑戦する意思を固めた。複数のメディアが2017年9月13日、報じた。
大谷は12日の楽天戦で今季3度目のマウンドに上がり、大リーグ16球団のスカウトが見つめる中、6回途中1安打無失点と好投した。もし大リーグに挑戦するとなれば、海の向こうでも「二刀流」を続けるのか、あるいは――。
メジャーは大谷の能力を見極めている
「日本ハム大谷 今オフ米大リーグへ挑戦」(毎日新聞)
「大谷 今オフのメジャー移籍決断 あるぞ全30球団争奪戦」(スポーツニッポン)
毎日新聞のウェブ版とスポーツニッポンのウェブ版「スポニチアネックス」は2017年9月13日早朝、こんなタイトルの記事を配信した。いずれも、大谷が今オフにポスティングシステムを利用してメジャーリーグに挑戦する意思を固めたことが12日に分かったとしている。
大谷の「二刀流」継続は、ありうるのか。現役時代にレンジャーズでプレーした野球解説者の建山義紀氏は、「今日ドキッ!」(HBC北海道放送)の9月4日放送でメジャー関係者に聞いた話だと前置きし、
「メジャーも、ピッチャー、バッターのどちらで(大谷を)使えばいいか考えているところ。(シーズンが)終わるまでに100球は投げられるようにしておきたい」
と解説していた。
野球解説者の森本稀哲氏は13日朝、「イチオシ!モーニング」(北海道テレビ)の生放送で、
「メジャースカウトたちは、意外にも、ピッチャーの評価がすごく高い。野手の評価は、そこまでしていない。打てるバッターとしても見られているが、『ピッチャーとしてはサイ・ヤング賞を取れる』と評価されている」
と話した。
「二刀流」のスタイルは、草創期から20世紀初頭にかけての大リーグでは、珍しくなかった。スポニチアネックスの9月5日付記事「大リーグ公認歴史家に聞く米二刀流の系譜『大谷の登場に意味はある』」によると、19世紀の大リーグでは、1チーム10~12人程度と決まっており、投手も打撃能力が高ければクリーンアップに座り、野手の守備位置にも就いたという。
だが1900年以降、ルール変更で投手と野手の分業化は進む一方だ。
ベーブ・ルースや、通算193勝&38本塁打のウェス・フェレルなどが、二刀流を体現したが、73年にア・リーグでDH制が採用されるなど、分業化の流れはさらに進展し続けており、二刀流実現には厳しい流れだ。
大リーグ挑戦は、プロ入り前からの悲願
元来、大リーグが日本に期待しているのは、野手よりも投手という傾向は明らかだ。現在、大リーグで活躍する日本人選手の多くが投手だ。前述の森本氏が「投手としての評価が高い」というのも、その流れにある。
投手としての大谷は、大リーグ最短で1000奪三振を記録したダルビッシュ投手にならぶ素質をもつことは誰の目にも明らかだ。球速は日本最速165キロの記録をもち、ダルビッシュ以上。だが、大リーグには170キロを超えたというチャップマン投手はじめ、球速だけなら大谷を上回る投手がいる。
しかし、大谷にとって大リーグ挑戦は、プロ入り前からの悲願だ。12日の楽天戦には、163キロの球速を記録した大谷。大リーグから16球団が視察に来たという。大リーグ全30球団が獲得に動くのでは、との観測もあり、今シーズン終了後の最大の話題となるのは間違いない。