観光地やホテル群の有無
東急沿線の方は、住宅地としては抜群の人気を誇るが、目立った観光地が少なく(例えば小田急電鉄には箱根がある)、訪日外国人の需要を取り込みにくいのが弱点なのだ。鉄道収入とは別のくくりだが、東急には立地が良い大規模なホテル群がないという面からも、訪日外国人の需要を取り込めていない。
稼ぎ頭の不動産事業にも不安がある。都心でオフィスビルの大量供給がある「2018年問題」だ。実際、株式市場を見渡すと、大手不動産会社は軒並み最高益を更新中だが、その不動産株は上値が重くなってきている。2回目の安倍政権誕生から足元まで続く不動産ブームが需給面で岐路に立っていると株式市場に受け止められており、不動産事業に頼る東急株も上昇しにくくなっているというわけだ。
不動産、観光地ともに東急にとってそう簡単には克服できそうもない課題だけに、株価反転に向けては人気住宅地の強みをどう生かすかも問われそうだ。