日テレ系バラエティ番組「月曜から夜ふかし」の2017年9月11日の放送で、「お詫びして訂正いたします」と謝罪コメントが公表された。14歳の女性に子どもを妊娠、出産させ、姿をくらました――。街頭インタビュー中に、その男性が通りかかったと約2か月前の放送で紹介していたが、事実でなかったと発覚したという。
おかげでその男性には、思いも寄らぬ災難が降りかかったようで......。
「ドラマ『14才の母』とリアルにシンクロ」
2017年7月10日に放送された同番組では、「眠らない街で個人的ニュースを聞いてみた件」と題し、東京・竹ノ塚で若い女性3人に行ったインタビューが放送された。中学2年で子どもを身ごもり、3年で出産したが、相手の男に逃げられてしまった――。女性の1人はそう打ち明けると、当時の日テレ系ドラマ「14才の母」に絡め、
「『14才の母』と同じ時期に妊娠して、ドラマが出産するときに私も出産した」
と笑い、「ドラマ『14才の母』とリアルにシンクロ」などと取り上げられた。
女性はそして、相手の男がインタビュー中、偶然にも自転車で3人の後ろを通り過ぎたと番組スタッフに明かす。番組側が確認したところ、スタッフが3人に声をかけた時、自転車でこちらを振り返りながら通り過ぎる男性が映っていた。番組ではこうして、「竹ノ塚ニュース(5) 逃げられた男に9年ぶりに遭遇」とテロップ付きで紹介された。男性の顔には、モザイクがかかっていた。
だが、女性に妊娠、出産させ、姿をくらましたのは、この男性ではなかった。番組あてに放送後、男性から「あれは私だと思うのですが、全く身に覚えがありません」と連絡があったという。
マツコ「すれすれでやってるわ、この番組」
9月11日の同番組によると、男性は番組ロケに遭遇した日、自宅に戻って家族にそのことを報告していた。地元の竹ノ塚が取り上げられるとあって、7月10日の放送当日は、家族そろって番組を見ていたという。
だが、男性はなぜか、「14歳の女性に妊娠、出産させ、逃げた男」と番組で紹介されている。男性の妻は、怒り心頭に発した。
「あなたは9年前、14歳の女性を妊娠させたの?」
「いや、おれはそんな事していない」
妻は結局、子どもを連れて家を飛び出して行ったという。
番組が男性の連絡を受け、女性にあらためて話を聞いてみると、人違いだったと判明。9月11日の放送では、女性の謝罪コメント「勘違いからご迷惑をかけてしまってすみません」と、番組側の謝罪、訂正コメント「お詫びして訂正いたします」が映し出された。
番組が男性に確認せず、「逃げられた男に9年ぶりに遭遇」と紹介したために、悲劇ともいえる不測の事態を招いてしまった。ツイッターなどインターネット上では、
「14歳の母の件に関しては、安易にテレビでやる内容じゃないだろ。1つの家庭壊しかけてんだからさ...。このコーナーいい加減、考え直した方がいいと思う」
「14歳の母のやつ、今更疑ってた男性が勘違いでしたとか阿呆過ぎるだろ... 適当にやってんな」
と批判が巻き起こったが、一方では、
「14歳の母の旦那じゃなかった人不憫すぎるw」
「月曜から夜ふかし笑う笑笑 竹ノ塚の14歳の母の末路笑笑」
と面白がっている人たちもいる。
番組司会者のマツコ・デラックスさんは、「あーー申し訳ない、ほんと!」と謝罪し、「すれすれでやってるわ、この番組」と嘆いていた。