介護は子供の自尊心を育むチャンス
奥山さんは、翔太くん(3歳9か月)、雄斗くん(1歳6か月)の育児と、介護の仕事、家事に加え、週末は義母の米子さん(82)の身の回りの世話をしに病院へ通っている。子供の遊びを中断しなければならない時もあり、不機嫌な翔太くんをなだめながら雄斗くんをおんぶして病院へ行く。
病室では踊ったり車いすに座ったりと、じっとしていられない翔太くん。ついつい叱ってばかりになる。
遊びに行く予定を立てていても、病院から「来てほしい」と連絡があると、すぐに予定を中断して行かなければならない。
奥山さん「何か嫌なことがあっても、隅でぐっとこらえながら泣いていると保育園から聞く。精神的にも、他の子たちより我慢させたり負担させたりが多いのかな」
大日向氏「介護はマイナスばかりではない。翔太くんくらいになると、人の役に立つ喜びが持てる。『おばあちゃん、翔ちゃんが来てくれて喜んだね』『優しいね翔ちゃん』『遊びを我慢してえらいね』『ありがとう』など、精一杯ほめてあげてほしい。テーマパークや公園に行くだけが子供にとって嬉しいことではない。家族の役に立っている自尊心を育んであげるチャンスでもある」
植木氏「ママが罪悪感を抱えていると笑顔が少なくなる。病院に行く時にちょっと楽しみを見つけて。例えば『帰りに一緒にラーメン食べに行こう』とか、自分も楽しいことをする。ママが楽しければ子供はもっと楽しい。笑顔になれるような楽しみを子供と一緒にできたらいい」