「風邪に抗生物質」が命を危険にさらす!?
過呼吸を起こした場合、袋を口に当て、吐いた息を吸う呼吸法が常識として広まっていたが、現在は推奨されていない。
過呼吸になると体内の二酸化炭素が少なくなるため、吐いた二酸化炭素を再び吸うのがよいとされてきたが、やりすぎると二酸化炭素を吸いすぎ、今度は酸素が不足してしまう。呼吸器や心臓に疾患がある人は死に至るおそれもある。
池袋大谷クリニックの大谷義夫院長が勧める呼吸法は、キスをする時のように唇をすぼめ、ゆっくり息を吐く方法だ。深い呼吸ができ、体内の二酸化炭素の量が安定する。
話すと自然に息を吐く状態が作れるので、積極的に会話するのもよい。
風邪を早く治したい時、ウイルスをやっつけようと抗生物質に頼るのはNGだ。
風邪で病院にかかった際に医師が抗生物質を処方するのは、他の病原菌に感染している疑いがある場合で、実は風邪のウイルスに効く抗生物質は存在しない。
2017年6月には、厚生労働省が「風邪に対して安易に抗生物質を服用し、薬で死なない菌『耐性菌』が増えることが大きな問題になっている」と注意を呼びかけたほど、「風邪に抗生物質」は危険なのだ。
がんの治療や手術を受けると免疫力が低下するが、体内の耐性菌で肺炎を起こし、効く抗生物質がないため死亡してしまうケースが増えている。2013年時点で世界の耐性菌での年間死亡者数が約70万人で、2050年にはがんの死亡者数を上回る1000万人が死亡するとの推計もある。
風邪をひいた時は、体を冷やさないよう汗をかいたらこまめに着替えるべし。「ネギに切り込みを入れてガーゼで包み首に巻く」という民間療法は、ネギのにおい成分「アリシン」で体温が上昇し、免疫力が高まりやすくなるため、効果が期待できる。