定期接種中止となって20年以上過ぎている
おたふく風邪は比較的症状が軽度で、「軽い風邪程度としか感じなかったり、ほとんど症状がなかったりする人もいます」と、耳鼻咽喉科医は説明する。ところが、たとえ本人が気づかない程度の症状だったとしても、難聴にならないとは限らないようだ。
難聴の有効な治療法がないため、日本耳鼻咽喉科学会では予防接種を推奨する。かつては法律に基づいて行政が費用負担をする「定期接種」だった。ところが副作用が見つかり、1993年以降は基本的に自己負担となる任意接種となった。そのためワクチンの接種率は低下している。
取材した耳鼻咽喉科医によると、定期接種が中止となって既に20年以上過ぎていることから、「ママ世代」でもワクチン接種していない人が珍しくない。「子どもはもちろん、おとなでも過去におたふく風邪にかかっていなければ、個人的には予防接種を勧めます」と話した。成人で過去の記憶があいまいな場合、耳鼻科で検査をすれば自分がおたふく風邪にかかったかどうかが分かるという。