スイスのスーパーで昆虫バーガーと昆虫ボール販売 見た目はおしゃれで美味しそう

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   スイスの大手スーパーマーケットCoop社が、2017年8月21日から原料に昆虫を利用したパティ「Insect Burger(インセクトバーガー)」とミートボール「Insect Balls(インセクトボール)」を販売している。

   東南アジアなどの露店で見かけるそのままの姿で揚げられた昆虫や日本のイナゴの佃煮など、食べなれていない人はそのビジュアルに抵抗感を持つことも多いが、インセクトバーガーもインセクトボールも見た目は普通の肉製品と変わらない。むしろ製造元のEssento社の商品写真はお洒落さを感じるほどだ。

  • 結構おいしそうな昆虫バーガーと昆虫ボール(画像はCoop社、Essento社のウェブサイトより)
    結構おいしそうな昆虫バーガーと昆虫ボール(画像はCoop社、Essento社のウェブサイトより)
  • 結構おいしそうな昆虫バーガーと昆虫ボール(画像はCoop社、Essento社のウェブサイトより)
    結構おいしそうな昆虫バーガーと昆虫ボール(画像はCoop社、Essento社のウェブサイトより)
  • 結構おいしそうな昆虫バーガーと昆虫ボール(画像はCoop社、Essento社のウェブサイトより)
    結構おいしそうな昆虫バーガーと昆虫ボール(画像はCoop社、Essento社のウェブサイトより)
  • 結構おいしそうな昆虫バーガーと昆虫ボール(画像はCoop社、Essento社のウェブサイトより)
  • 結構おいしそうな昆虫バーガーと昆虫ボール(画像はCoop社、Essento社のウェブサイトより)
  • 結構おいしそうな昆虫バーガーと昆虫ボール(画像はCoop社、Essento社のウェブサイトより)

将来有望な動物性たんぱく源

   2017年8月14日付の英タブロイド紙「デイリー・メール」電子版によると、スイスでは2016年5月に食品衛生法が改正され、コオロギとバッタ、ミールワーム(ゴミムシダマシの幼虫)の3種類の昆虫を含む食品を販売することが認可されたという。

   AFPの取材に対し、スイスの衛生機関担当者は「人の食糧として昆虫原料の食品を認可した欧州で最初の国となった」とコメント。欧州食品安全機関(EFSA)が昆虫食の安全性検証を進めているとの報道もあり、欧州では新たな食糧源として昆虫に注目が集まっているようだ。

   国連食糧計画(FAO)も2014年に発表したレポート「The contribution of insects to food security, livelihoods and the environment」の中で、

「現在昆虫は20億人の食生活の一部となっており、私達が現世人類になってからずっと昆虫は人間の食べ物の一つとなってきました」

と指摘。「昆虫はたんぱく質やビタミン、脂肪、必須ミネラルを豊富に含む有望な動物性たんぱく源」としている。

   とはいえいきなりバッタを素揚げにしてムシャムシャ食べる、というのも厳しいだろう。そんな見た目への抵抗感に着目したスイスの食品ベンチャー企業Essento社は、加工しやすいミールワームをすりつぶし、いわゆる「ひき肉」にして加工食品にするというアイデアを思い付いた。スパイスや野菜などと混ぜれば見た目はもちろん、味も良くなる。

   例えばインセクトバーガーの材料を見てみるとミールワームは3割ほどで、それ以外に米、ニンジン、セロリ、リーキ、卵、レモン、玉ねぎ、パプリカ、オレガノ、ニンニク、チリペッパーなどが使われている。製品写真もスパイシーなハンバーグといった雰囲気で、実においしそうだ。記者は素揚げの昆虫を何度か口にしたことがあるが、インセクトバーガーなら躊躇なく食べられる自信がある。

   販売するCoop社のオンラインストアを見たところ、「Meat & Fish」カテゴリーの中に「Insects」として商品が並んでいる。肉と魚に並ぶ立派なたんぱく源扱いのようだ。

肉や魚より飼育も簡単

   スイスの場合、そのあたりの草むらで虫を捕まえてきて食品にしてもよいというわけではない。食品衛生法によると、人間用の食品原料とする場合は少なくとも4世代以上を厳重な監督下で飼育し安全性を確認することが義務付けられており、国外での飼育はもちろん輸入も禁止だ。そのため、飼育には数か月かかるという。

   また国家食品安全当局が厳格な飼育条件や検査項目を定めており、これらを少しでも逸脱すると販売は認められない。

   しかし、FOAによれば昆虫の飼育は家禽や漁業よりも容易で、その上環境にも優しいという。それほど遠くない将来、日本でもスーパーの一角に特売ミールワームが並ぶ日も来るかもしれない。

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