麻薬より儲かった中国のICO 全面禁止までの狂乱バブル

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「経済と金融の秩序を著しくかき乱した」

   中国の監督管理当局者は理性を失った市場をじっと注視してきた。

   『第一財経日報』の報道によると、中国証券監督管理委員会(証監会)は、一部ブロック・チェーン企業を対象にICOに関するアンケート調査を行った。これは、バーチャル・カレンシーの名目で行われているマルチ商法詐欺のICOプロジェクトに対して、証監会が並々ならない関心を示していた証拠だ。

   8月24日には、中国銀行業監督管理委員会(銀監会)は『違法資金調達に対する処置条例 (公聴草稿)』を起草し、一連の違法資金調達に処置権限を持つ部門が着手している調査状況を列挙した。これらのなかには、バーチャル・カレンシーの名目で行われている資金調達行為も含まれていた。

   銀監会は次のように指摘していた。「現在、違法資金調達は一般大衆の預金の直接吸収、投資財テクなどを主として、バーチャル・カレンシー、消費キックバック、私募株投資などの名目の違法資金調達が頻々と現れ、その様は次々新しいものとなり、詐欺性が濃厚で、見分けるのが困難である」

   8月30日夜には、中国インターネット金融協会が以下のようなリスク情報を発表した。「国内外の一部機関が、誤解を招きかねない各種の宣伝手段を採用してICO名目の融資活動に従事しているが、詐欺の疑いがあり、違法に証券を発行し、違法に資金調達行為を行っている」

   監督管理当局の「襲撃」を察知したのか、国内で有名なICOプロジェクト・プラットフォームであるICOINFOは、8月30日、次のように発表した。「リスク防止のため、即日、自主的に一切のICO業務を暫時停止し、関連部門の監督管理政策の発表後に、政策、ルールに基づいて業務を展開する」

   そしてついに、9月4日、中国人民銀行と工業・情報化部が通知を出して、ICOは銀行法や証券法などに照らし、「無許可で非合法の融資行為」とし、「経済と金融の秩序を著しくかき乱した」として全面的に禁止した。ICOバブルはこれで終局を迎え、ビット・コインなどの仮想通貨は急落した。ただ、ICOバブルの背後にある金満現象、金融政策については現在のところまったく詰問されないままとなっている。

(在北京ジャーナリスト 陳言)

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