「電線や電柱が美しい景観を妨げています」
件のコンテストを主催する「無電柱化民間プロジェクト実行委員会」は、こうした無電柱化を支持する一般社団法人だ。公式サイトには、「電線や電柱が美しい景観を妨げています」「電線は国土の魅力と安全を大いに損なっている」――などといった理念が掲げられている。
いったいどのような団体なのか。J-CASTニュース編集部が取材を申し込むと、パスワード付きのPDFファイルで、下記のような回答が寄せられた。
「私どもは、『防災』+『安全・快適』+『景観・観光』の観点から、全国的に無電柱化を促進しようとする政府の無電柱化推進の趣旨に賛同し、民間の立場から応援する団体として、2014年7月に『~上を向いて歩こう~無電柱化民間プロジェクト実行委員会』を設立しました」
そもそも景観や安全、防災の観点から電柱・電線を地中に移設しようとする「無電柱化」は、以前から国土交通省などが推進している。2016年には超党派の議連の後押しもあり、「電柱化の推進に関する法律」も成立した。
その「応援団」というべきこの団体は、洋画家として知られる絹谷幸二・東京芸術大学名誉教授が代表を務め、社会経済学者の松原隆一郎・東京大学大学院教授らが理事に名を連ねる。団体名にもあるとおり「民間」の組織であるが、コンテストの後援には国土交通省も名を連ねる。