フェイスブック(FB)の運営会社は2017年9月6日(現地時間)、ロシアが関与したとみられる「偽アカウント」から広告が約2年間にわたって掲載されていたことを公式ブログで明らかにした。16年秋の大統領選にロシアの関与があったとされる、いわゆる「ロシアンゲート」でFBも悪用されたとの指摘が絶えず、同社の検証作業の中で発覚した。
これらの広告は直接大統領選に言及してはいないものの、移民問題をはじめとする「意見が分かれるメッセージを増幅させる」、つまり社会の対立をあおるような内容で、実に10万ドル(約1090万円)が投じられたという。FBでは、ほぼ同じタイミングで広告の「リーチ(到達人数)水増し疑惑」も浮上しており、広告に対する信頼が問われかねない状態だ。
LGBT、人種、移民、銃規制めぐり対立あおる
FBの発表によると、15年6月から17年5月にかけて掲載された3000件の広告が、利用規約違反の「本物でない」470ものアカウントやページとつながりがあった。これらのアカウントやページは互いに関連があり、ロシアから操作されているとみている。英BBCによると、アカウントは、ロシア政府寄りの書き込みを繰り返している、サンクトペテルブルクに拠点を置くグループが開設したとみられている。
一連のアカウントが発信していた広告の多くは、大統領選や特定の候補への呼びかけに関するものではなく、LGBT(性的少数者)、人種、移民、銃規制といったイデオロギーを問わず、社会的、政治的に意見が分かれるメッセージを増幅させることに焦点が置かれていたという。
FBでは、これらのアカウントのうち、今でも活動しているものについては閉鎖したと説明。米当局の捜査にも協力していくとしている。