サッカー日本代表DFの吉田麻也(29)が、ロシアW杯アジア最終予選・サウジアラビア戦の試合終了直後のインタビューで発した一言が、サッカーファンの一部から大ブーイングを浴びる騒動があった。
「サウジアラビアの皆さんに、おめでとうと言いたいです」――。吉田がインタビューの第一声でこう切り出したことに、試合を見ていたネットユーザーの一部が、「ふざけてんの?」「どんだけ上からなんだ」といった反発の声を次々と上げたのだ。
吉田「うまく1点を守り切られた」
2017年9月6日未明(日本時間)に行われたサウジアラビア戦。日本は8月31日のオーストラリア戦に2-0で勝利したことで、すでに予選1位通過でW杯出場を決めていたが、サウジアラビアにとってはこの試合は予選突破がかかる一戦だった。
結果は0-1で敗戦。後半18分、ゴール前の細かいパスワークで日本DFが振り切られ、フォワードのムワラドに決勝点を決められた。このプレーに絡んだのが吉田。ムワラドへのブロックがわずかに遅れ、豪快に右足を振り切られた。
その後、試合終盤に日本が決定的なチャンスを作る場面もあったが、シュートミスで得点はできず。暑さと疲労のためか、単純なミスでボールを奪われる場面も目立った印象だ。
こうした試合の終了直後、ピッチに作られた特設ブースで選手インタビューが行われた。そこで、インタビュアーから「難しい状況の試合でしたが、振り返っていかがですか?」と質問された吉田は、
「えー、まあ、サウジアラビアの皆さんに、おめでとうと言いたいです。もう、非常に難しい試合でしたし、うまく1点を守り切られたと思います」
と答えた。
この発言が、ネット上のサッカーファンの間で物議を醸すことになった。インタビューの様子が試合中継で流れるやいなや、ツイッターやネット掲示板に、
「開口一番これ こいつアホなん? 失点はお前のせいだろ」
「反省せずにインタビューでカッコつけるって、まじでなんなん...」
「はぁ?カードもらうし、抜かれるし、点入れられるし、イラついてるし。ホント残念」
「どんだけ上からなんだよ。吉田さん。まずは今日の反省しましょうよ」
といった声が相次いで上がったのだ。なかには、「サウジにおめでとうじゃなくてちゃんと起きて見てた日本人に謝れよ」といった意見もあった。
「海外では当たり前」のコメント?
一方、吉田のコメントは単に対戦相手を称えているだけで、まったく問題の無い発言ではないか、と見るユーザーも少なくなく、ツイッターには、
「海外ではこういうコメントは当たり前。相手へのリスペクトを表している意思表示なので、批判するのは基本がわかってないとしか言いようがない」
「吉田麻也選手が非難されるとか、どんだけ日本の一部サッカーファンの『民度』が低いの」
「なんで吉田の発言が批判されてるのかわからん。プレーを批判しろプレーを」
といった擁護意見も数多く寄せられている。
ただ、吉田の発言が大きな賛否を呼んだことは確かなようで、試合終了後の6日未明には、一時ツイッターのトレンド欄に吉田の名前が登場。また、6日夕時点で、ツイッターの検索欄に「吉田麻也」と入力すると、関連ワードの最上位に表示されるのは、「おめでとう」という言葉だった。
なお、吉田は騒動となった発言の後、同じインタビューの中で「まずはW杯に出場できるということが僕らの一番の目標だったので、そこを達成できたことはホッとしてます」とコメント。その上で、
「本選に向けて、これからの親善試合で、もっともっとレベルアップしなきゃいけないと思ってます」
などと述べていた。