米国のトランプ大統領のツイートに2017年9月5日夜(日本時間)、日本と韓国の名前が突然登場した。
両国が米国から軍事装備を追加購入できるようにする、という内容だ。真意は不明だが、日米韓の防衛力強化を誇示することで、核実験と弾道ミサイルの発射を続ける北朝鮮をけん制する狙いがある可能性もある。
何を「さらに大量購入」かは明らかにならず
トランプ氏のツイートの内容は
「日本と韓国が、高度に洗練された軍事装備を、米国からさらに大量購入できるようにするつもりだ」
というもの。防衛省は地上配備型の迎撃システム「イージス・アショア」を導入する方針を17年8月に明らかにしており、18年度予算の概算要求で設計費が盛り込まれる見通し。トランプ氏のツイートは、このことを念頭に置いている可能性もある。ただ、菅義偉官房長官は9月6日午前の会見で
「我が国としては防衛力を強化するためにF35、こうしたものをはじめ、今日まで米国製の最新鋭の装備品を取得している。また、自衛隊の装備品については防衛計画の大綱、および中期防衛力整備計画に基づいて我が国の防衛を全うするために必要不可欠なものとして米国製装備品を含め計画的に取得している。今後とも着実に防衛力を整備して参りたい」
と答弁。わざわざF35戦闘機の名前を挙げはしたものの、「さらに大量購入」の具体的な中身は明らかにならなかった。
韓国は「数十億ドル相当の米国製武器や装備を購入」で合意
一方、トランプ氏と韓国の文在寅(ムン・ジェイン)大統領は9月4日に電話会談。ホワイトハウスの発表では、トランプ氏が(1)韓国の弾道ミサイルの弾頭重量制限を解除すること(2)韓国が数十億ドル相当の米国製武器や装備を購入すること、を承認した。
こういったことを念頭に、朝鮮日報は青瓦台(大統領府)関係者の、次のような見立てを伝えている。
「両首脳は、北朝鮮の核・ミサイルの脅威に対応するため、韓国軍の国防力の強化が重大であるとの認識を共にした」
「また、米国が韓国に必要な先端兵器や技術の導入を支援することと関連し協議を進めている原則に合意した。トランプ大統領の言及はそのような文脈だ」
この朝鮮日報の記事では、韓国国内でF35の追加購入論が出ていることも指摘している。