計画を2年前倒し
一方、「週刊朝日」記事の一部を紹介した「AERA dot.」(8月29日配信)の「金正恩『爆殺』狙う『斬首作戦』の全貌とは?」では、斬首作戦について、
「(略)だが、アルカイダの指導者だったオサマ・ビンラディン暗殺時のように特殊部隊を派遣するわけではない」
と説明。さらに、「(金正恩氏が有事に身を潜めると言われている)地下施設をバンカーバスター(地中貫通弾)などで徹底的にたたくというのが、斬首作戦の要になるようです」との韓国在住ジャーナリストのコメントを紹介している。
「斬首作戦」の言葉は、昨16年3月の米韓合同軍事演習を機に、メディアなどで見かける機会が増えてきた。北朝鮮は例年、同演習を批判してきたが、16年の際には「斬首作戦」訓練が含まれているとして、「強く反発した」と複数のメディアに報じられている。
北朝鮮側は、強く意識している模様で、聯合ニュースは17年6月15日、韓国情報機関の国家情報院が国会委員会で、「金委員長が『斬首作戦』に関する情報を探ることに血眼になっている」との報告を行ったと報じていた。
「斬首作戦」を遂行する部隊は当初は19年に創設予定だったが、17年1月の段階で、韓国国防部が計画を2年前倒しし、17年中に立ち上げる方針を明らかにしていた。こうした文脈から、今回9月4日の「12月1日付で創設」公表は、既定路線上の話ではある。しかし、北朝鮮の新たな挑発などが懸念されている、建国記念日の9月9日の直前の発表とあり、その意図をめぐり、様々な憶測が寄せられている。