高山善廣の大けがで問われる事故防止策 先輩レスラー蝶野正洋は「規制」提案

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   プロレスラーの高山善廣選手(50)が、頸髄完全損傷という大けがを負った件で、先輩レスラーに当たる蝶野正洋さん(53)がテレビ番組でコメントした。

   練習で鍛え抜かれた体をもつレスラーだが、過去には死亡事故につながった例もある。命の危険と隣り合わせのファイトだと肌で知る蝶野さんは、高山選手の事故をどう感じたのか。

  • 高山選手にはエールを送った蝶野さん(2016年9月撮影)
    高山選手にはエールを送った蝶野さん(2016年9月撮影)
  • 高山選手にはエールを送った蝶野さん(2016年9月撮影)

選手は多少のけがでも無理して出る

   蝶野さんは、自らが司会を務める「バラいろダンディ」(TOKYO MX)の2017年9月5日放送時に、高山選手の現状について真剣な表情で話した。過去に脳梗塞を発症後に復帰した点に触れて「不屈の闘志を持っている人ですから、ぜひがんばってもらいたい」と励ます一方、プロレス業界全体での事故防止を問われてこう答えた。

「使う側、団体側がそういう(事故防止の)ルールをつくるしかないと思います。選手は多少のけがを負ってでも、無理をしてでも自分をアピールしようと思って出る。これはどの業界でも変わらないと思う。使う側がそこをちゃんと見極めて、規制をつくらないと止めようがない」

   大手プロレス団体でも、チャンピオンになれるのはほんの一握りのレスラーだ。競争は激しく、油断をすればポジションが奪われる。またフリー選手や小規模団体の所属選手は「食べていく」ためにやはり多少の無理を覚悟しなければならない。選手側だけでは決められない事情がある点を、蝶野選手はよく分かっているようだ。

   最大手団体の新日本プロレスでは、2017年だけでも本間朋晃選手(40)が頸髄損傷、柴田勝頼選手(37)が硬膜下血腫で緊急入院、手術する事態となった。いずれも試合中の事故が原因だ。団体側はもちろん、選手の健康管理に注意を払っている。2017年6月6日付の日刊スポーツ電子版記事によると、所属選手は6年前からMRI(核磁気共鳴画像法)やCT(コンピューター断層撮影法)を含めた健康診断を国際医療福祉大や三田病院などで年1回実施し、そのデータを蓄積しているとのことだ。試合前はトレーナーにマッサージを受けるなど入念な準備をしているという。

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