自民党の竹下亘総務会長(衆院島根2区)による北朝鮮の弾道ミサイルをめぐる発言が波紋を広げている。地元の島根県にミサイルが落ちたとしても「何の意味もねえなという思い」を持ったと話し、報道各社は発言が「軽率」だと批判される可能性を指摘した。
それでも竹下氏は「どこが不適切ですか」と、1歩も引かない構えだ。
「広島はまだ人口がいるけど...」
竹下氏の発言は2017年9月3日、広島市内での党会合で出た。北朝鮮がグアム周辺に向けて発射すると予告している弾道ミサイルの飛行経路について、
「島根県、広島県、高知県の上をミサイルが飛んでいって、グアム近くまでいくぞという予定だという発表を北朝鮮がして、我々は『えっ(と思った)』。いや、広島はまだ人口がいるけど、島根に落ちても何の意味もねえなという思いを持ちながら...」
と述べた。この発言を報道各社は次のように報じ、野党などが批判する可能性を指摘した。
「野党側から軽率だと批判を浴びそうだ」(共同、3日配信)
「北朝鮮情勢が緊迫の度を増す中、島根県民らから反発を招く可能性もある」(時事、同)
「安倍政権が弾道ミサイルへの備えを強調する中での不適切な発言で、野党などから批判が出そうだ」(朝日、4日付朝刊)
「竹下氏の発言は、自らの地元・島根と広島では人口の密集ぶりが違うという趣旨とみられる。ただ、北朝鮮によるミサイルの脅威が高まる中だけに、軽率との批判を浴びそうだ」(毎日、同)
「ミサイルの性能向上や大都市などへの着弾を容認したと受け取られかねない発言で、野党などから批判を受ける可能性がある」(読売、同)