中央アジアのカザフスタンの首都、アスタナで国際博覧会(万博)が開催され、終盤を迎えている。同国は石油や天然ガスなどの資源に恵まれたエネルギー大国として知られ、万博のテーマも「未来のエネルギー」(Future Energy)。日本を含む115か国、22国際機関が出展している。
日本館は、資源が乏しいエネルギー事情に即して、エネルギーの有効活用を訴える「真面目で、学校の教室での勉強みたい」な内容(中村富安・日本政府代表)。それでも、世界各国から出展されているパビリオンの来場者数でトップ10に入るほどの盛況ぶりだ。
多くの国が「再生可能エネルギー」「未来のエネルギー」だけを強調するが...
首都のアスタナは1997年にアルマティから遷都され、基本設計は建築家の故・黒川紀章氏が担当した。中央アジアで万博が開かれるのは初めて。万博の主催者は会期を通じて500万人の来場を見込んでおり、そのうち85%がカザフスタン国内からだ。 そういったこともあって、会場内施設の来場者ランキングでは1位をキープしているのが、カザフスタン館にあたる「ヌル・アレム」。会場の中心にそびえ立つガラス張りの球体の建物で、直径90メートル、高さ100メートルの大きさを誇る。常に長蛇の列ができており、8月24日には100万人目が来場した。
多くのパビリオンが、太陽光や風力といった「再生可能エネルギー」や水素や藻を活用した「未来のエネルギー」を強調する中、日本館はこれら2つのエネルギーと、火力や水力、原子力といった「在来型エネルギー」を上手く組み合わせて世界の電力重要を満たすことの重要性を訴える。こういったエネルギーを「作る」技術に加えて、省エネで培った「使う」技術について、大きく2つのプレゼンテーションコーナーと、水素をテーマにした仮想現実(VR)の体験コーナーなどで伝えている。