お尻の下にテニスボール1個で腰痛改善
ところで、慢性腰痛の陰にはお尻の筋肉の腫れが隠れている場合が多い。長年腰痛に苦しみ、整体に通ってもよくならない60歳女性Aさんが、横浜市立大学付属市民総合医療センターの北原雅樹医師の診療室を訪れた。北原医師はAさんの立った姿勢が前に傾いているのを見て、お尻の筋肉に問題があると見抜いた。お尻の筋肉のバランスが悪いから、前かがみの姿勢になる。Aさんを診察台の上にうつ伏せにさせ、お尻の奥の筋肉を親指で押すと、Aさんは悲鳴を上げた。「梨状筋」(りじょうきん)という深層筋が腫れていた。
北原医師「梨状筋の腫れが腰痛の原因です。腰痛というと整体師は腰の周りしか診ませんから、気づかない場合が多いです」
北原医師はAさんの梨状筋の3か所に鍼を打った。
Aさん「何十年ぶりでしょうか。こんなに腰が軽くなったのは」
北原医師は、スタジオでもMCの三宅裕司・渡辺満里奈さん、アシスタントの春香クリスティーンさんをうつ伏せにさせ、お尻の筋肉をチェックした。すると、春香さんが「ギャア~!」と悲鳴を上げた。やはり、梨状筋が腫れていた。春香さんは痛みのあまり涙を流した。腰痛で悩んでいたという。
こうしたお尻の筋肉の痛む箇所を「トリガーポイント」(痛みの引き鉄箇所)という。北原医師は、お尻のトリガーポイントを1人で簡単にほぐす方法を教えてくれた。硬式テニスボールを使う。
(1)仰向けになり、ボールをお尻の下に置く。グルグルとお尻を動かし、痛いと感じるトリガーポイントにボールを当てる。
(2)それだけでもいいが、反対側のひざを倒してボールに体重をかけると、ちょうどいい力がトリガーポイントに当たる。
(3)1か所30秒程度で、1日に2回行なう(注:野球やゴルフボールは硬すぎるので筋肉によくない)。