2017年9月3日に北朝鮮で起きた人工地震をめぐり、国営朝鮮中央テレビは15時30分から放送した「特別報道」の中で、大陸間弾道ミサイル(ICBM)搭載用の水爆実験を「完全成功」させたと発表した。
発表では、今回の実験で北朝鮮の核爆弾が「高度に精密化」したと主張。弾頭部分の小型化が進んだ可能性もあり、さらに脅威が増すことになりそうだ。
M6.1は過去6回の核実験で最大
北朝鮮は、
「われわれの核兵器設計および製作技術が、核爆弾の威力を打撃対象と目的によって任意に調整することのできる高い水準に到達した」
などと成果をアピールする一方で、
「今回の実験が以前に比べて前例なく大きな威力で行われたが、地表面噴出や放射性物質の漏出現象が全くなく、周囲の生態環境にいかなる否定的影響も与えなかったという確証が得られた」
とも主張した。
日本政府も人工地震について、6回目の核実験だと断定。菅義偉官房長官が14時45分過ぎに開いた記者会見で、
「通常の波形と異なる可能性のある地震波の観測など、これまでの情報を総合的に勘案した結果、本日北朝鮮が核実験を実施したものと判断される」
と述べた。
気象庁の発表によると、地震が発生したのは12時29分57秒頃で、地震の規模を示すマグニチュード(M)は6.1。北朝鮮が「水爆実験に成功した」と主張している前回16年9月9日の実験はM5.3で、過去6回では最大規模。菅氏も
「マグニチュードからすれば、きわめて大きなエネルギーが使われたのは事実ではないか」
と述べた。