米中対立の隠れた焦点「強制技術移転」 高速鉄道技術は「消化吸収」されたのか

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低コストのライバル企業を作り出す構造

   数少ない報道の中では筆者は、英『フィナンシャル・タイムズ』が報じた7年前の長篇記事を注目している。2010年10月8日と9日、同紙の中国語版サイトで2回にわたって連載された「中国はいかにして高速鉄道技術を『消化』したか」と題する記事だ。ある外国の鉄道グループが高速鉄道技術を中国に移転せざるを得なくなり、数年間で自ら低コストのライバルをつくり出してしまったというストーリーだった。

   このストーリーの語り口は通俗的で明快であるが、その客観性については、読者の判断に任せることにする。問題提起の面では今現在でも中国では関連問題を議論する際、引用されており、関連の記事を検索する場合、すぐ出てくるぐらいだ。

   同紙は曰く、多くの多国籍企業の幹部からすると、彼らの企業は長年ずっと政府を後ろ盾にした中国の協力パートナーに技術の「移転」あるいは「販売」をし、それと引き換えに市場参入してきたが、中国の国家政策は現地の産業に手厚いため、外資系企業の中国シェアは日々縮小してゆくというものであった。

   わずか数年のうちに、中国国内の高速鉄道産業は雨後のタケノコのようにぐんぐん成長した。高速鉄道業界発展の推進力は国内鉄道網の拡張である。中国は現在、世界で最大の高速鉄道ネットワークを持ち、さらに2020年までに4万キロまで(日本は3000キロ未満と中国では報道している)拡大する計画だ。政府はすでに数年間で、毎年1000億ドル以上の予算を組み、新たな鉄道路線の建築および古い鉄道ネットワークのアップグレードを行う予定である。世界銀行の予測では、この数字は世界の鉄道投資額の半分以上を占めることになる。

   この魅力的な市場は、世界の大きな鉄道グループを引き付けた。10年以上もの間、北京側はドイツのシーメンス、フランスのアルストム、日本の川崎重工、カナダのボンバルディアなどのグループと、中国の国有企業が協力パートナーシップを結ぶことを歓迎してきた。激烈な競争のもと、技術移転は中国が示す条件の一つとなったと『フィナンシャル・タイムズ』は書く。

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