再生可能エネルギーも問題山積
一方、再生可能エネも、太陽光発電偏重や高すぎる電気料金、送電線不足による受け入れの限界など問題山積で、どう国民負担を抑制しながら普及を促進するかが大きな課題だ。
さらに、石炭火力発電の扱いも焦点の一つ。電源構成で石炭火力は現状で31%程度に達し、電力業界は「原発の再稼働が進まない中、石炭火力は重要なベースロード電源」として、40基以上の新設計画が進んでいるが、温室効果ガスの排出量が多い石炭火力の新増設に政府は慎重姿勢を強めている。
こうした課題をにらみ、大手紙は社説(産経は「主張」)で取り上げた。
脱原発の朝日(8月13日)は「今の計画は、国民の多くが再稼働に反対する原発を基幹電源とするなど、疑問が多い」と指摘したうえで、現行計画が「原発依存度を可能な限り低減する」との表現を盛り込んでいることを指摘し、「次の基本計画では、原発を基幹電源とするのをやめるべきだ。(略)そして、どんな取り組みが必要かを検討し、行程を具体的に示さねばならない」と求めている。
同様に脱原発の毎日(同)も、「エネルギー改革への関心が低く、旧来通りの原発依存から脱する気がない」と、安倍政権のエネルギー政策をバッサリ切り、小幅改訂・従来路線踏襲の方針に「それが意味するのは、原発新増設には触れないまま、運転40年を超える老朽原発も含めた原発再稼働をめいっぱい進めることだろう。それは、依存度低下にも、安全性向上にも反する」と指摘。「世界の情勢を見れば、安全対策でコストが膨らみ続けている原発とは逆に、再生エネはコストが下がり続けている」と、抜本的な方向転換を迫っている。