毎年更新していく予定
今回の「アニメ聖地88」の選定基準について、アニメツーリズム協会事務局の広報担当者に、J-CASTニュース編集部の記者が8月29日と30日に電話で取材した。
担当者は「ウェブ投票の結果がベースになっておりますが、他にも制作会社や権利者、地方の方々、施設の方々などと協議を行ったうえで選定しています」と説明。結果として、ウェブ投票で上位の作品でも「アニメ聖地」にすることを見送ったケースもある。
また、美術館などの施設やイベントも選定していることについては、
「『アニメ聖地』は、海外の方に日本に来ていただく糸口のようなものです。アニメファンの方の意味する『聖地』のみならず、日本の歴史あるアニメ・漫画関連の施設なども入れていますし、それらを通して日本のアニメ文化などについてより深く知っていただければ、と思います」
と説明した。
ネットでも指摘が出ていた、KADOKAWA関係ブランドの多さについてはどうか。「アニメ聖地88」の「作品」カテゴリでは、同一作品で複数の「聖地」が指定されている場合があり、重複を除いた作品数は「70」。そのうち、KADOKAWAグループが「関係者」として確認できる作品は、J-CASTニュース編集部の記者が確認した範囲で、少なくとも38作品ある。この多さについては、
「会社ごとに枠を設けて選定をしているわけではございませんので、結果的にこの数になった、というお答えになります」
としている。
今後については、「訪れてみたい日本のアニメ聖地」は毎年更新していく予定だと明かし、「今回選外になった作品についても、来年以降につなげていけたらと思います」と、拡充される可能性を示唆した。
選定事情を知る関係者によると、ウェブ投票で上位の作品でも選外となるケースがあった背景としては、アニメはアニメの制作会社、原作を扱う会社、グッズの販売会社などがそれぞれ異なっている場合も多く、関係各社との協議に相当な時間がかかり、今回は選定に至らなかった作品もある、といった複雑な事情もあったようだ。
果たして「2019年版」は出るのか、出る場合、ウェブ投票の結果に、より沿った形になるのか、アニメファンらの注目が集まりそうだ。