「飼い猫にマダニ」で感染症が怖い 都市部に持ち込んで来る「犯人」とは

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都会で増加中のアライグマにマダニが付着

   ではマダニはどこでペットに付着するのか。本来なら野山にいるはずのマダニが、都市部にまで生息域を広げている疑いがある。広島市内で、市民が利用する公園やグラウンドの隣の緑地を調べると、マダニが何匹も見つかった。そこには、野生動物の痕跡があった。

   和歌山県・ふるさと自然公園センターの鈴木和男さんは、アライグマの調査を続けている。近年、住宅地に姿を現すようになった動物の一種だ。しかもそのほとんどに、マダニが付いている。最近では、調査したアライグマの半数にSFTSの感染が広がってきたという。この傾向は、人間の感染者が増えてきた時期と重なっている。

   五箇氏は、アライグマやハクビシンといった外来の動物が都市部で増えており、捕獲事例もあると指摘。同時にマダニも一緒に都市部に到達しているリスクを憂慮した。こうなると、都会の住民もマダニから身を守る方法を知っておく必要があるだろう。

   数年前までマダニ被害が全国ワースト1位だった愛媛県。みかん農家の玉井真吾さんは、農作業の際に真夏でも長袖、長ズボン姿で裾は靴の中に入れている。肌の露出を防ぐのがマダニ対策の基本だ。またマダニに噛まれても気づかないことが多いので、入浴の際には全身をチェックするという。

   愛媛県では、保健所が市民にマダニに関する講習会を開いている。さらに農家には農協が、高齢者にはケアマネジャーが、マダニの必要知識と防ぎ方を伝えている。その結果、被害は激減した。噛まれても、すぐ病院を訪れて適切な処置を施してもらう人が増えた。

   仮に自分の体やペットにマダニが付着していても、つぶしてはいけない。マダニの体液が体内に入って、ウイルスに感染しかねない。野良猫や、飼い猫でも誰が飼い主かがはっきりしていないネコは、寄ってきても触ったりなでたりしない。いわばネコも被害者なのだが、SFTS感染の恐れはぬぐいきれないからだ。

   草むらのような場所に行く場合は、マダニに効果がある虫よけスプレーを使い、極力肌の露出を控えよう。

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