韓国の大手紙が掲載した書評記事が北朝鮮の「尊厳を冒とく」したとして、北朝鮮の裁判所が記事を掲載した新聞社の社長と記者を「極刑に処する」と主張している。北朝鮮は2017年6月、韓国が金正恩委員長の暗殺計画を計画しているとして、朴槿恵前大統領らに対して一方的に「極刑」を宣告したばかり。
北朝鮮は、書評の対象になった書籍の表紙のデザインが「国章と国号までひどく中傷、冒とくした」ことを非難しているが、どういうわけか著者や出版社は「極刑」の対象に入っていない。「理解できない脅迫」だという指摘が出ている。
「あらゆる悪態をむやみに並べ立てて、それが事実であるかのように」...
問題にされたのは、ロイター通信のソウル特派員(当時)ら2人が2015年に「ノース・コリア・コンフィデンシャル」と題して出版した書籍。17年8月に韓国語版が「朝鮮資本主義共和国」というタイトルで出版された。これを受け、朝鮮日報や東亜日報は、USBメモリーの普及で韓国ドラマが北朝鮮でも普及しつつあるエピソードなどを交えながら、相次いで書評記事を掲載した。この内容に北朝鮮が反発した。
北朝鮮の中央裁判所は17年8月31日、朝鮮中央通信を通じて発表した声明で、書籍を
「脱北者のくずをはじめ烏合の衆の妄言をかき集めて著したもので、『北住民の生活は100%資本主義的』だの、何のとしてわれわれの現実を悪らつに謗り、わい曲ねつ造した詭弁でつづられている」
と非難。書評記事にも
「『北は資本主義国家よりもお金の力がより強く作用する国』『携帯電話のない若者は敗者扱いされる』『軍隊は無報酬労働部隊』『お金が多い人はいつでも身分が高い人と結婚できる』というなどのあらゆる悪態をむやみに並べ立てて、それが事実であるかのように『北を知りたがる人々が負担なく興味津々に読める入門書』だの、何のというたわごとまで吐いた」
とかみついた。