「24時間テレビ 愛は地球を救う」の企画で、老朽化が進んだ駅舎がリフォームされた銚子電鉄・本銚子駅(千葉県銚子市)。その待合室に新しく設置された備品が、何者かに盗まれたのではないかとの報告がインターネット上に寄せられ、騒ぎとなっている。
本銚子駅のリフォームをめぐっては、一部の鉄道ファンが「元の雰囲気が台無しになった」などと反発したことが物議を醸したばかり。そのためネット上では、「改装を恨んだ鉄道ファンの嫌がらせではないか」と疑う声も出ている。はたして、事の真相は......。
「早速パーツが盗まれてる」
2017年8月26、27日放送の「24時間テレビ」では、タレントのヒロミさん(53)が本銚子駅の駅舎を番組中に「生改装」する企画が放送された。
築94年の駅舎は老朽化が進んでおり、屋根の一部が剥がれたり、壁に穴が開いたりしている状態だった。ヒロミさんは番組で、駅を主に利用している地元の小学生の要望を受けてリフォームに着手した。
改装の結果、駅舎は「大正ロマン風」のキレイな建物に生まれ変わった。これに地元住民は大喜びで、銚子電鉄には「リフォームしてくれて本当によかった」と感謝の声が寄せられているという。
しかし、リフォームに沸く本銚子駅で「盗難被害」が起きたのではないか、との報告が2017年8月30日にツイッターに寄せられた。
投稿者がアップしたのは、駅舎の待合室に新しく設置された照明を大写しにした画像だ。5つ並んだ照明のうち1つに「傘パーツ」が取り付けられておらず、電球が裸のまま露出した状態となっている。この写真について投稿者はコメントで、
「本銚子駅なう。早速パーツが盗まれてるとか。こういった事をする輩は殺してやりたい」
と怒りを露わにしている。
「鉄オタの仕業では?」
「盗難疑惑」を指摘した投稿はインターネット上で注目を集め、ネット掲示板「2ちゃんねる」などでは、「なんでこんな事を平気でするんだろう」などと訪問者のマナーを批判する声が上がると共に、
「鉄オタの仕業では?」
といった根拠不明の憶測も流れることになった。
本銚子駅のリフォームにあたっては、元々の古びた駅舎のノスタルジックな外観を魅力的に感じていた鉄道ファンの一部から、「せっかくの風情が台無し」「元に戻せ」などと改装に反発する声がネット上に寄せられていた。
こうした騒動と今回の盗難疑惑を絡めて、
「鉄オタの嫌がらせでしょ このリフォームにめっちゃ切れてたし」
「気に入らないから嫌がらせとか終わってんな」
などと疑うユーザーが相次いだのだ。ただ一方で、
「壊れたんじゃねえの」
「最初からなかった可能性もある」
と冷静に推測する意見も目立った。
「盗まれたわけではありません」
はたして、事の真相は。銚子電鉄鉄道部の担当者は9月1日のJ-CASTニュースの取材に対し、
「決して、盗まれたわけではありません」
と話す。実は、業者側の手違いで照明のパーツに形の違うものが混ざっていたため、一部の電球が露出した状況は「最初からだった」という。
ただ、盗難疑惑がネット上で騒ぎになっていることは銚子電鉄も把握しているという。実際、同社の元には「照明が盗まれているのではないか」との問い合わせが複数寄せられているそうだ。
そのため銚子電鉄側は8月31日までに、本銚子駅の待合室内に張り紙を掲出。そこには、
「(照明パーツを)一個だけ付け忘れてました。取られてないから大丈夫だよ。心配かけてごめんなさい」
とのメッセージが記されているという。