2014年のソチ冬季五輪でフィギュアスケート団体金メダルに輝いたユリア・リプニツカヤ選手の引退報道が流れた。まだ19歳と若い。ソチ五輪での可憐で美しい演技は、日本でもファンを増やした。
引退理由として報じられたのが、摂食障害だ。日本でも女性の有名アスリートが、これまでに苦しんだケースがある。
浅田舞さん、鈴木明子さんも悩まされた
五輪後はけがの影響もあって、競技の成績が振るわなかったリプニツカヤ選手。引退を巡っては、本人が拒食症の治療を終えてロシアのスケート連盟幹部に伝えたとされるが、リプニツカヤ選手自身の声明はまだ出ておらず、はっきりとしていない。
厚生労働省では摂食障害について、「食事をほとんどとらなくなってしまう拒食症、極端に大量に食べてしまう過食症があります」と説明する。拒食症では、やせて生理が来なくなる、過食症の場合は、食べ過ぎたことを後悔して憂うつになるという症状がある。
日本でもこれまで、摂食障害を明かしている元フィギュアスケーターの女性がいる。浅田舞さん(29)は現役時代、「拒食症になっちゃったり、過食症になっちゃったり、精神的にまいってうつ病みたいになっちゃってました」と「女性セブン」2015年6月11日号で明かしていた。
2010年バンクーバー、14年ソチと2大会連続で五倫に出場した鈴木明子さん(32)は、拒食症を乗り越えた体験をこれまで詳しく語ってきた。2015年10月16日付の産経新聞記事では、大学進学後、48キロあった体重が一時32キロまで落ちたと明かしている。「フィギュアスケートは体重が重くなると、動きが悪くなり、足への負担も大きくなる。体重管理のため食事制限していたつもりが、だんだん食べられなくなりました」。
摂食障害と診断された後も、なかなか食事ができずスケートの練習から遠ざかった。それでも母親の献身的なサポートと病院の栄養指導で徐々に回復し、競技に復帰することができたという。