日本の太平洋沿岸を流れる黒潮が南下し、日本から大きく離れる大蛇行が発生する可能性があると気象庁が2017年8月30日に発表した。黒潮の流路の変動は、船舶の運航や漁業に影響を与えるほか、潮位を上昇させるため沿岸地域では浸水被害が生じる可能性がある。
黒潮は本来、日本の太平洋沿い南岸を流れ、千葉県の房総半島沖を東に進むが、現在は紀伊半島から東海沖で大きく離岸している。今後はそれが更に進み北緯30.5度、東経139度付近まで南下し、その状態が継続する見込みで、05年8月以来、12年ぶりの大蛇行になる可能性があるという。大蛇行は95年以降5回観測されており、最も長かったのは75年から始まったもので、4年8か月間続いた。
気象庁は、すでに紀伊半島東岸の潮位が通常より10~20cmほど上昇しており、台風や低気圧が発生した際は更に潮位が上がる可能性があるとして注意を呼び掛けている。