魚を多くとる食事療法と新薬開発に期待
次に、マウスにてんかん発作(けいれん)を引き起こす薬物を投与すると、興味深いことに、DHAを添加したエサを食べたマウスでは、けいれんまでの時間が遅くなった。また、脳内のエストラジオール合成を薬物で阻害すると、けいれんは悪化した。これらの結果から、DHAの摂取が脳内のエストラジオール合成を活性化させ、そのエストラジオールがてんかん発作を予防していると考えられるという。
石原助教らは発表資料の中で、こうコメントしている。
「この研究は、DHAの新しい脳内作用メカニズムを明らかにし、食事でてんかん発作を予防する方法(食事療法)の開発につながることが期待されます。また、エストラジオールには、脳内で記憶・学習力を向上し、脳神経を保護する作用がすでに報告されています。DHAとエストラジオールが協同して発作を抑えるメカニズを解明すれば、新しい薬剤の開発の糸口となります」