北朝鮮の弾道ミサイルが日本上空を通過した問題で、労働新聞など国営メディアは2017年8月30日朝、発射に金正恩・朝鮮労働党委員長が立ち会っていたと報じた。正恩氏は今回の発射が「太平洋上での軍事作戦の第一歩」だとして、今後も太平洋に向けたミサイル発射を「多く」行うように指示した。
ミサイル発射は米韓合同軍事演習への対抗措置だとしているが、日本にも矛先を向けている。8月29日は1910年に日韓併合が行われた日で、この日に「日本がびっくり仰天する大胆な作戦」が行われたことを称賛した。北朝鮮は、日本が「朝鮮の標準時間まで奪った」として、2015年には日本と同じだった標準時を30分早めて「平壌時間」を設定したばかり。あらゆる局面で「抗日」が政策決定の理由になる「お国柄」を改めて反映したとも言えそうだ。
グアムけん制の「意味深長な前奏曲」
国営メディアによると、発射されたのは中距離弾道ミサイル(IRBM)「火星12」。「わが国家の首都で初の発射訓練」だったことも明らかにした。打ち上げが平壌郊外の順安(スナン)国際空港周辺で行われたとする日本政府や韓国政府の分析を裏付けた形だ。
正恩氏は、ミサイル発射は
「米国の態度を見守るとしたわれわれの警告に米国が好戦的な侵略戦争演習で応えた」
結果だと主張、米韓軍事演習に反発した結果だったと明らかにした。太平洋を狙ったミサイル発射を繰り返し行うことも名言。今後、弾道ミサイルが日本上空を通過することも増えそうだ。
「わが軍隊が行った太平洋上での軍事作戦の第一歩であり、侵略の前哨基地であるグアムをけん制するための意味深長な前奏曲になる」
「今後、太平洋を目標にして弾道ロケット発射訓練を多く行って戦略武力の戦力化、実戦化、現代化を積極的に推し進めなければならない」