「せっかくの風情が台無し」?
だが一方で、このリフォームに複雑な思いを抱く人々もいる。それは、以前の本銚子駅のノスタルジックな雰囲気に魅力を感じていた鉄道ファン達だ。
苔むした木の柱に、青黒く錆びついたトタン屋根。周囲にあるのはうっそうと茂る木々だけ。そんなかつての駅舎の光景に趣を感じていた人々から、ツイッターやネット掲示板には、
「キレイにはなったが情緒もノスタルジーも無くなった」
「せっかくの風情が台無し」
「もう戻らないんだろうか」
などと残念がる声が出ている。さらには、「ぶち壊しじゃねえか元に戻せ」などと強い語調で訴えるユーザーの姿もみられた。
こうした鉄道ファンからの意見について、銚子電鉄はどう考えるのか。同社鉄道部の担当者は8月30日のJ-CASTニュースの取材に対し、
「駅舎の改装後、地元の皆様には連日のように足を運んで頂いています。私どもに届いている意見は、『リフォームしてくれて本当によかった』と好意的なものばかりです」
と話す。
一部で改装を残念がる声が出ていることについては、「安全面を考えると、以前の状態を続けることも難しかった」と説明。その上で、
「もちろん当社としても、本銚子駅の雰囲気は大切にしています。実際、日本テレビ側には『古さを残してリフォームして欲しい』との要望を伝えていましたから」
とも明かした。
担当者は取材の終わり、「個人個人で捉え方が違う問題ですので、難しい所ではありますが...」と前置きした上で、
「鉄道ファンの皆様の思いは痛いほど分かりますが、ローカル線の大きな使命は『地域貢献』にあるとも考えています。今回のリフォームを受けて、普段から駅を利用されている地元の方々が喜んでいる。そこは、やっぱり大きいと感じますね」
と話していた。