GDPプラス成長6四半期連続、11年ぶり 「賃金上昇」か「将来不安解消」か、新聞論調2分

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読売・産経は賃金上昇優先

   経済の総合力を示すGDPに関する論調とあって、あれも、これもと総花的に課題を並べる傾向は否めないが、特に、賃金上昇の重要性を強調するのが読売と産経で、「賃金増が小幅なことが、消費が力強さを欠き、消費者物価の上昇率も0%台を低迷する要因の一つだ。各企業は、内部留保を膨張させず、従業員に積極的に振り向けてもらいたい。それが、経済の好循環を実現する道である」(読売)、「企業収益が改善した割に賃上げは力不足だ。......人手不足に対応するにはIT(情報技術)などを活用して、労働生産性を高める必要がある。効率化の成果を、社員の所得向上に確実につなげることが肝要である」(産経)と指摘する。これは、安倍政権が、官製春闘などで賃上げを主導し、働き方改革や生産性向上を掲げる流れに即した論調と言え、安倍政権、アベノミクス支持という両紙の基本スタンスを反映したと言えそうだ。

   これに対し、毎日は「アベノミクス開始から4年半以上が経過した。改革には十分な時間だが、政府は目先の対策を優先した」として、特に消費税率引き上げの延期を俎上に載せ、「高齢化社会を支える安定財源が確保されなければ社会保障に対する国民の不安は解消されず、節約志向も変わらない」と、4紙の中で一番批判的だ。

   なお、読売は、規制緩和など様々な課題を列挙する中で、「企業や個人の『貯蓄志向』を転換させるには、将来不安を取り除く努力が大切だ。......持続可能な社会保障制度の構築には、収入の多い高齢者の負担増なども避けられまい」と指摘しているが、先述の通り、全体としてアベノミクス支持のトーンだ。

   日経は、「大事なのは......中長期の成長基盤をしっかり固めることだ。......政府は労働市場や規制緩和などの構造改革の手を緩めてはならない」と、「持論」の構造改革の必要に言及するにとどまっている。

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