破壊命令は「領土、領海に着弾するということが把握できた時」に
小野寺五典防衛相は8月29日午前の会見で、今回のミサイルが中距離弾道ミサイル(IRBM)「火星12」型にあたるとの見方を示した。破壊措置命令の有無については明らかにせず、
「発射された弾道ミサイルが、わが国の領土、領海に着弾するということが把握できた時に破壊措置命令でこれを除去するということになる」
と一般論を述べるにとどめたが、「破壊措置の実施はなし」という結果からすれば、レーダーの分析結果などから、ミサイルが日本の領土・領海内に着弾する可能性がないと判断したとみられる。
日本のミサイル防衛は、大きく(1)イージス艦搭載の迎撃ミサイル「SM3」、(2)地上配備型迎撃ミサイル「PAC3」の2段構えだ。それぞれ大気圏外の上空数百キロ、地上に近い上空数十キロで迎撃することを想定している。防衛省は、今回の弾道ミサイルの最高高度は約550キロだったと推定している。これを念頭に
「これは能力的に迎撃できるとお考えか」
という質問も出たが、小野寺氏は
「我が国の手の内のことになるので、しっかりとした対応ができるということに留めさせていただければ」
と述べるにとどめた。