消防隊員を大敵「熱中症」から守る端末 消防服の温度から予測、大阪市大が開発

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   消火活動中の消防隊員にとって最も危険なのは熱中症だ。大阪市立大学の研究チームは2017年8月28日、消防服にウェアラブル端末を装着し熱中症を予防する装置の開発に成功したと発表した。

   活動中の消防服内の温度を測り、体温の上昇を予測して熱中症リスクを予知するものだ。大阪市消防局の協力で、実証実験を繰り返した。

  • 消防隊員は熱中症が怖い。ウェアラブル端末の仕組み(大阪市立大学の発表資料より)
    消防隊員は熱中症が怖い。ウェアラブル端末の仕組み(大阪市立大学の発表資料より)
  • 消防隊員は熱中症が怖い。ウェアラブル端末の仕組み(大阪市立大学の発表資料より)

消防服は火事には強いが、隊員の熱中症には弱い

   大阪市立大学の発表資料によると、消防服は耐熱性に優れる反面、汗をかきにくく皮膚からの放熱が難しいため、隊員の体温が上昇し熱中症になりやすくなる。熱中症は、深部体温が39.5度以上になると、脳機能障害を引き起こすなど重症化する。熱中症を予知するには深部体温の上昇を検知することが重要だが、消化活動中の隊員の体温を測ることは困難だ。

   そこで研究チームは、消防服内に埋め込む名刺ケースサイズの端末を開発、2017年6~8月に隊員に消火活動時の動きを再現する実験を行ない、消防服内の温度と深部体温、身体活動量などを測定した。その結果、特殊な計算式を使うと、消防服内温度から深部体温を予測できることを確認した。

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