金価格、1年半ぶりの高水準で推移
一方、東京株式市場は2017年8月29日、日経平均株価が続落して始まった。始値は前日比130円79銭安の1万9319円11銭。北朝鮮をめぐるリスクが高まり、運用リスクを避けるための「売り」が先行。円高・ドル安の進展も悪材料となった。自動車株や金融株など主力株への売りが目立つ。一時は前日比169円88銭安の1万9280円02銭まで急落したが、その後押し戻す展開で推移している。
さらに、「安全資産」とされる金に投資マネーが流れ込んでいる。金価格は急上昇。東京商品取引所の金先物相場は、取引の中心である2018年8月物は一時1グラム4594円の高値で、中心限月としては4615円を付けた2016年3月14日以来、約1年半ぶりの水準まで上昇した。
「買い」優勢の状況で、11時50分現在に1グラム4592円で推移している。前日との比較では64円上昇。7月上旬の直近安値から2%超も上昇している。
ニューヨーク商品取引所(COMEX)の金先物相場も、時間外取引で急伸。取引の中心である12月物は日本時間29日朝に一時1330ドルと前日の終値(1315.3ドル)と比べて15ドルほど上昇し、2016年11月9日以来、約9か月ぶりの高値を付けた。
北朝鮮リスクは高まるばかり。米国のトランプ大統領の「激しい警告」とともに、北朝鮮では9月9日に建国記念日を控えており、さらに緊張は高まりそう。まだまだ「有事の金」が買われる可能性がある。