がん患者、モンブラン登頂から30年
7人のうち4人が健在、記念講演会

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   日本のがん患者がヨーロッパアルプスの最高峰モンブラン (4810メートル) に登頂して30年を記念する講演会が2017年 8月20日、岡山市で開かれた。

   登頂に参加した患者 (男性 4人、女性 3人) はいずれも予想以上に生き延び、いまも男女各 2人の計 4人が健在。この日は 3人が挨拶し、会場をわかせた。

がん「標準治療は欠陥治療」と医師が指摘

   主催したのは、「生きがい療法」を提唱する伊丹仁朗医師のすばるクリニック (倉敷市) と、患者組合・生きがい療法ユニオン。伊丹医師はがん患者が目標や生きがいを持って積極的な闘病生活をすべきとし、富士登山なども企画した。患者の希望から準備・訓練を経て1987年 8月にモンブランに挑戦、患者 3人が頂上に立った。帰途は猛吹雪に襲われたが患者・支援者17人は無事に下山し、ニュースは日本だけでなく世界中のがん患者や家族を勇気づけた。

   3人のなかで最高齢の広島の男性はいま90歳で被爆者だった。「目標が達成され、何となく生きている」と近況報告、87歳のやはり広島の男性は再発し、さらには別のがんも経験したが「散歩と森林浴でもう少しがんばる」、乳がんが再発し、まだ現役患者という兵庫の80歳女性は「平均寿命の87歳までは生きたい」、などと話した。

   伊丹医師は続く講演で、全国のがん拠点病院で展開中の標準治療は治せる手を十分尽くしていない欠陥治療だと批判した。たとえば、温熱療法は放射線治療や抗がん剤治療と併用すればがんを抑制し、生存期間も延ばせる。保険も利くので患者の負担も軽い。それなのに実施している拠点病院はわずか 3%、13病院のみにとどまっている。

   免疫(NK活性)検査や転移リスク(CTC)検査をし、必要な患者には免疫増強剤や転移予防薬を使用すれば症状を改善したり、リスクを減らせる。しかし、ほとんどの病院では検査そのものをしていない。検査は血液を採取し、検査センターへ送ればいいので、患者は自衛のために開業医に検査を依頼したほうがいい。

   このほか、丸山ワクチンの使用、日常の食事での必要な注意、有効な食事療法、効果的なサプリメントなど患者に役立つ治療法の指摘は多方面に及んだ。

(医療ジャーナリスト・田辺功)

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