作家・田中芳樹さんの大河ファンタジー小説「アルスラーン戦記」、ついに「完結」へ。個人事務所代表の安達裕章さんが、田中さんから最終巻の原稿を受け取ったと2017年8月29日、ツイッターで明かした。
「アルスラーン戦記」は架空の王国「パルス」を舞台として、王太子アルスラーンと仲間たちを中心に、国家の興亡を描いた大作だ。1986年に角川文庫から第1巻『王都炎上』が刊行された。
「30年あまりの長い旅となりました」
「銀河英雄伝説」などスケールの大きな作品で知られる田中さんだが、もう一つの代表作である「アルスラーン戦記」については30年以上にわたり執筆が続きながらも、なかなか完結が見えず、ファンをやきもきさせてきた。
しかし29日、上述の安達さんが自らのツイッターで、
「さきほど編集さんに原稿をお渡ししましたので、きちんとお伝えします。
『アルスラーン戦記』最終巻、脱稿しました。
このあとも校正やイラストなどさまざまなお仕事がありますので、本のかたちで皆さまのお手元に届くのには、しばらく掛かりますが、発売日が決まりましたら改めてお伝え致します」
「1986年、角川文庫で第1巻『王都炎上』が刊行されて以来、30年あまりの長い旅となりました。お付き合い頂きました皆さまには、心から御礼申し上げます。最終巻をお届けするまで、いま少しお待ちいただければ幸いです」
と投稿、刊行はまだ先ではあるが、最終巻の原稿がついにできあがった、と伝えた。
「生きてる間に最終回が読めるだと?!」
2013年からは、「鋼の錬金術師」で知られる荒川弘さんによるコミカライズ版も「別冊少年マガジン」で連載開始、2015年・16年にはテレビアニメ化もされ、若い世代にもファンを広げている。それだけに反響は大きく、ツイッターで多くつぶやかれた言葉を集計する「トレンド」にも投稿後間もなくランクイン、
「2017年になってついに『アルスラーン戦記最終巻』という言葉を見るとは...」
「あ、アルスラーン戦記の最終巻の原稿が脱稿だと......!? 脱稿ってことは......脱稿だよな???」
「生きてる間にアルスラーン戦記の最終回が読めるだと?!」
「アルスラーン戦記最終巻脱稿おめでとうございます!!!完結するんだね、やったね!!ありがとう田中先生!!この勢いで創竜伝も完結させてください!!!」
といった驚愕混じりの喜びの声が多数上がった。
なおツイートによると、安達さんは以前からただ一人、物語の結末を聞かされていたそうだが、
「私としては早く田中さんが結末まで書き上げて、この妙なプレッシャーから解放されたい、とも思ってた。で、結末まで読んで。
...聞いてたラストと違うじゃん。
......ちょっとぉ!」
と驚かされたという。はたしてどんな結末になるか、ファンたちもかたずをのんで見守っている状況だ。