北朝鮮が2017年8月29日朝、北東方向へ向けて弾道ミサイルを発射した。
日本の上空を通過して襟裳岬東方の太平洋上に落下した。
落下物、船舶や航空機への被害も確認されず
弾道ミサイルは29日5時58分ごろ北朝鮮西岸の順安(スナン)から北東方向へ発射され、6時7分ごろに北海道上空を太平洋へ通過、その後ミサイルは3つに分離し、6時12分ごろ襟裳岬の東方約1180キロメートルの太平洋上に落下したと推定されている。菅義偉官房長官が6時40分ごろ開いた臨時の記者会見で明らかにした。
同会見の時点で日本の領域への落下物は確認されておらず、日本の船舶や航空機への被害も確認されていない。自衛隊によるミサイル発射措置は取られなかった。
JR東日本の上越・東北・北海道新幹線は安全確認のため一時運転を見合わせたが、6時29分ごろ運転を再開した。
北海道西部の泊原発1、2号機に被害は確認されていない。
ミサイルの飛行距離は2500~2700キロほどにおよび、中距離弾道ミサイル「火星12号」の可能性がある。高く打ち上げるロフテッド軌道ではなく、通常の弾道で発射されたとみられている。
日本政府は菅長官、河野太郎外相、小野寺五典防衛相らがNSC(国家安全保障会議)を開き、情報の分析を進める。
6時14分ごろにはJアラート(全国瞬時警報システム)が、ミサイル発射に関する緊急情報を伝えた。対象地域は北海道、青森県、岩手県、宮城県、秋田県、山形県、福島県、茨城県、栃木県、群馬県、新潟県、長野県だった。
北朝鮮が発射したミサイルが日本上空を通過したのは過去、1998年にもあり、「テポドン1号」が津軽海峡付近から日本列島を通過していた。
また、北朝鮮は今月、グアムに向けてミサイルを発射する計画を発表していた。これに対して米トランプ大統領は、もし攻撃されたら前代未聞の惨事になると警告。その後、北朝鮮は「米国の行動を見守る」としていた。