メリットはなくリスクしかない
こうした結果を踏まえ、デンマーク産婦人科学会は「現時点では(膣播種に)期待されている何らかの効果が、潜在的なリスクを上回ることを示唆する証拠はない」と結論付け、「有害ではなく新生児の消化器・免疫系にポジティブな改善効果があるという決定的な研究が発表されるまで膣播種は推奨されない」とした。
では帝王切開で生まれた子どもには、どのようなことをすれば不足していると思われる細菌を安全に補うことができるのか。デンマーク産婦人科学会は「一般的な肌の接触で十分効果があることはエビデンス(科学的な根拠)が確立されている」としている。
例えば母乳育児は母乳や母親の肌との接触を通して、細菌が子どもに移入されることがわかっている。また同学会は新生児と母親の一般的な肌の触れ合いでも、十分に効果が期待できるとし、母子接触の時間を十分確保するよう呼びかけている。