日本テレビ「24時間テレビ 愛は地球を救う」(2017年8月26~27日放送)で、フィギュアスケーターの羽生結弦選手(22)が喘息(ぜんそく)を患っていると明かした。
番組は羽生選手と、同じく喘息を持つ少年スケーターとの交流を描いた感動的な話だったが、ナレーションで羽生選手の紹介に、「喘息を言い訳にはしない」との表現が使われたことに、ツイッターでは疑問が投げかけられた。発作は本当につらいのに、「言い訳」とは何事かというわけだ。
「薬に頼らず心身を鍛えて」の精神論を否定
「2歳の時に小児喘息と診断された羽生結弦選手が、病気を言い訳にせず世界のトップで戦い続ける思いをテレビで初告白」
24時間テレビの公式ツイッターや番組公式サイトでは、こう書かれた。ナレーションでも、2歳から喘息となり、今も発作が起きることがある羽生選手について「喘息を言い訳にはしない」との言い回しで紹介していた。
羽生選手本人が言ったわけではないのだが、意志の強さやスケートに向き合う真剣さなどを表す意味で「言い訳にしない」との言葉を使ったのかもしれない。ただ喘息で苦しむ患者は多いだけに、別の意味でとらえた人がツイッターでは少なくなかった。発作で苦しむのが「言い訳」なのか、喘息で子どものころに体育を見学していたが「言い訳」だと思われていたのだろうか、などと書き込みが相次いだ。
記者も小児喘息を患い、幼いころは発作で眠れず母親に夜中も介抱してもらった記憶が残る。40代となった今日も時折息苦しくなり、吸入器が必要だ。「喘息だからできない」イコール「言い訳」ととらえられてはたまらないという気持ちは、理解できる。
喘息の発作が出たら、我慢は禁物――。内科や小児科のウェブサイトをみると、共通している。例えば、東京大田区の原口小児科クリニックのサイトでは、こう説明している。
「特に子供の喘息は大人になったら治るから余り薬に頼らずに、心身を鍛えて喘息に負けないようにしようというような一見正論のようにも聞こえる精神論に近いことをよく言われてきましたが、発作を放っておくのはよくありません」