薬局から消えた懐かしの「赤チン」 入手はできるが「寿命」が近づく

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「水俣条約」で水銀含む製品製造は原則禁止

   「赤チン」の原料は、40年以上前から国内でほぼ生産されていない。しかも「もう海外でもつくっていないのです」と、小堺製薬の担当者は明かす。同社では現在、在庫分の原料を切り崩す形で製造を続けている。

   さらに、日本を含む50か国が批准した「水銀に関する水俣条約」が2017年8月16日に発効した。これにより2020年までに、水銀を含む製品の製造や輸出入が原則禁止される。原料が生産ストップしているうえ、製造も難しくなるわけだ。

   小堺製薬では今日、製造したマーキュロクロム液を医薬品の卸売業者に納入している。消費者が入手するには、薬局の棚になければ注文するか、オンライン通販を利用するしかない。かつては病院でも使われており、今日でも消毒薬として有効だが、代替品はすぐに購入できる。昭和のなごりがまたひとつ、姿を消す日が近づいている。

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