【あしたも晴れ!人生レシピ】(Eテレ)2017年8月18日放送
「知ってますか?疲労臭」
暑い時期や年齢を重ねるとより気になるのが「体臭」だ。汗の臭いや加齢臭には気を配っているという人、「疲労臭」はご存知だろうか。
シャワーなどでは落とせないのがやっかいな疲労臭。原因やメカニズムを知って、体の中から対策すれば改善できる。
自分で自分の体臭を知る方法は
疲労臭は体が疲れると全身から出るもので、アンモニアのツンとした臭いが特徴だ。
一般的な汗の臭いや加齢臭などの体臭は、汗や皮脂が皮ふの上の雑菌と混ざって臭うのに対し、疲労臭は血液中のアンモニアが増加し、体内から直接ガスとして放出されて臭う。
疲労臭の原因は、その名の通り疲労のほか、
(1) 体臭を気にしすぎることによるストレス
(2) 便秘などで腸内環境が悪化し、腸にたまったアンモニアが上手く排出できなくなる
(3) アンモニアを尿素に変換して解毒する肝臓の働きが悪くなっている
などがある。
自分ではなかなか気付きにくく、他人も指摘しづらい体臭だが、1日着たシャツや靴下を袋に入れて密閉し、家の外の新鮮な空気をかいで鼻をリフレッシュさせてから袋の中の臭いをかぐと、自分の体臭がわかる。
「しじみ」と「簡単ドレッシング」で改善
管理栄養士で食生活アドバイザーの堀知佐子氏が、疲労臭改善につながるレシピを紹介した。
まずは肝機能の向上に、「しじみの炊き込みご飯」と「しじみと野菜のピリ辛炒め」だ。
しじみに豊富に含まれる「オルニチン」は、肝臓がアンモニアを尿素に変換する働きを促進する。そのままでもよいが、冷凍するとオルニチンが5~8倍にも増える。
しじみを水に一晩漬けて砂抜きし、水気を拭き取ったら密閉袋に入れる。しっかり空気を抜き、冷凍庫で1日ほど凍らせる。
「しじみの炊き込みご飯」は、コンブと水を入れた鍋に凍ったままのしじみを加え、あくを取りながら煮る。炊飯器にといだ米、しじみを煮ただし汁、殻から外したしじみの実、コンブを入れ、酒としょう油で味を整えてから千切りにしたショウガを加えて炊く。
炊き上がったら器に盛り、だしに使ったコンブを好みで刻んで乗せたら完成だ。
「しじみと野菜のピリ辛炒め」は、ゴマ油をフライパンに引き、しじみの臭み消しになるトーバンジャンを炒めてから、凍ったままのしじみ、さいの目に切ったパプリカ、ナス、トマトを加え、強火で一気に火を通す。
しじみの殻が開いたら酒としょう油、みじん切りにした長ネギとショウガを入れ、さっと混ぜ合わせたら出来上がり。
次に、腸内環境を整える「発酵ドレッシング」。
甘酒とヨーグルトとみそを、1:2:2の割合で混ぜ合わせるだけ。なめらかになったら完成だ。サラダにかけるほか、パスタのソースなどにも使える。
冷蔵庫で1週間ほどもつので、疲労臭が気になる人は常備するとよい。
疲労臭にすぐ効く魔法の水
毎晩湯船に浸かるのも疲労臭の対策になる。就寝前、気持ちいいと感じる湯温で10~20分入浴するとよい。
リラックス効果があるほか、血行が促進され尿素の排出が効率的になり、睡眠も改善されて疲労が取れやすくなる。
すぐに疲労臭を消したい人には「みょうばん水」がオススメだ。
みょうばんは水に溶けると酸性になり、アルカリ性のアンモニアと中和して臭いが消える。
空のペットボトルにみょうばん16グラムを入れ、水400ミリリットルを注いでよく振る。みょうばんは水に溶けにくいので最初は白く濁るが、1日置くと透明になる。
透明になったらスプレー容器に移し、衣類にスプレーして乾かしてから着る。疲労臭は揮発性があり、衣類に消臭機能を持たせれば他人には臭いがわからなくなるのだ。
レモン汁を数滴入れれば、より酸性が強くなる上、爽やかな香りでアンモニア臭を抑える効果も期待できる。
直接足にふきかける、タオルにしみこませて体を拭くのもOKだが、肌に合わない人もいるかもしれないので、最初はさらに2~3倍に薄めてから使うとよい。