「ペットは家族」とばかり犬や猫を室内で飼う人が増えているが、可愛いペットによる思わぬ火事に注意! こんろのスイッチを入れたり、バッテリーをかんだり、「ヤンチャないたずら」ではすまない怖い事故が相次いでいる。
製品評価技術基盤機構(NITE)は2017年8月24日、犬や猫、ネズミ、ゴキブリなどの小動物が家電を故障させたりして起こる火災・漏電事故が、2017年3月までの5年間に78件あったと発表した。
バッテリーをかむ犬、ファクスに尿をかける猫
NITE の発表資料によると、78件の事故のうち26件は犬や猫、鳥などのペットが原因だ。犬や猫がガスこんろのスイッチを押したための火災が6件、猫がファクスに尿をかけたりして漏電、発火した事故が5件あった。犬が充電中の携帯電話やバッテリーにかみついたりして発火する事故も2件あった。
猫や犬が関わった主な火災事故を紹介すると――。
(1)飼い主が不在時に、室内で飼っていた猫がガスこんろの点火ボタンに触れ、こんろが点火し、ガスこんろの周辺が燃えた。この猫は以前から室内の高い位置に登るのが好きだった。(平成28年4月、埼玉県)。
(2)室内で飼っていた猫がファクシミリに尿を掛けたため、内部の電気部品でトラッキングが発生し、ファクシミリと周辺を燃えた。この家では数匹の猫を飼っていた。(平成28年4月、千葉県)。
(3)犬がバッテリーをかみ発火。飼い主が充電後放置していたルーター用のリチウムイオンバッテリーが発火し、バッテリーと周辺が燃えた。バッテリーパックには居所的な力が加わったことを示すへこみがあった。(平成25年12月、香川県)。
出掛ける際はガスの元栓を閉め、家電のプラグを抜く
NITEでは、ペットや小動物、害虫による事故を防ぐために、次のような注意を呼びかけている。
(1)出掛ける際はペットをケージに入れておく、スイッチが入らないようロックを掛ける、ガスの元栓を閉める、電気製品はプラグを抜くなどの対策をする。
(2)ガスこんろやIH調理器などの周囲に可燃物を放置しない。
バッテリーパックなど、ペットがかんだり、落としたりして危険なものは保管場所に注意する。
(3)ネズミなどの小動物や害虫の侵入する可能性がある製品の周りはこまめに清掃し、動作不良や焦げ臭いなどの異常がみられた際は点検を受ける。